IBLCEがグローバル人道支援奨学金を新設

皆さんもよくご存知のように、私たちは今、気候変動や地政学的リスク、自然災害など、さまざまな原因によって人道的な危機が世界各地で絶え間なく起きている、困難な時代に生きています。こうした数多くの、しかも突然訪れる危機のために、専門資格の取得が難しくなっています。IBCLCを目指す人がすべての前提条件を満たし、あとは専門試験を受験して合格するだけという時に、経済的に大きな影響を与える不測の事態が起きて、ラクテーション専門家が受験できなくなるのは、特に不幸なことです。


ラクテーション専門家が資格取得のための最後の重要なステップを踏めなくなるような危機がますます増えていることを受け、ラクテーション・コンサルタント資格試験国際評議会®(IBLCE®)はIBLCEグローバル人道支援奨学金を創設しました。これは、IBLCEが毎年、ラクテーション・コンサルタント資格のための財政投資®(MILCC®)組織を通じて運営する複数のグローバル人道支援奨学金に資金を提供するものです。


MILCCは、専門的なラクテーションケアのゴールドスタンダードとして世界中で認められている国際認定ラクテーション・コンサルタント®(IBCLC®)の奨学金制度におけるグローバルリーダーです。1987年の設立以来、MILCCは60ヶ国の相応しい志願者に725件の奨学金を授与してきました!


MILCCは、IBLCEが設立したこの新しい奨学金の運営を担います。この奨学金により、最も必要としている個人と地域への支援を含め、MILCCを通じて提供できる資金が増加することになります。この新たな奨学金は、以下の既存のMILCC奨学金プログラムと平行して運営されます:

 

  • MILCC一般奨学金—IBCLCの認定または再認定を目指す方のために毎年授与されます。経済的な必要性が選考の主な基準で、IBCLCの専門的なサービスにアクセスできない人々のために従事する志願者に優先的に授与されます。

 

  • ジョアン・W.スコット奨学金—ピアツーピア・サポートグループの背景を持つ初回受験者または再認定IBCLCに毎年授与されます。

 

  •  将来のリーダー奨学金—IBCLC志願者と将来のリーダー候補の多様性、公平性、インクルージョンを育むという精神のもと、IBLCEによって設立されました。リーダーとなる可能性を示す人で、専門分野とそのリーダーシップにおいて歴史的に過小評価されているグループに属しており、かつ奨学金なしにIBCLC資格を取得できない可能性があるIBCLC志願者に資格取得の機会が提供されます。

 

  • クリフトン・J.ケノン二世医学博士健康公平性奨学金—主にアフリカ系アメリカ人コミュニティにラクテーションケアを提供する専門家の認定を通じて、健康格差を是正する目的で毎年授与され、IBCLCの初回認定を目指す人に優先的に授与されます。

 

 

過去5年間だけでもMILCCは397件の奨学金を授与し、その総額は14万米ドルを超えています。IBLCEは、この新設された奨学金によって、予期せぬ困難な状況にもかかわらず専門資格を取得しようとする世界中の方々を支援し、厳しい環境下で専門的なラクテーションケアを切実に必要としている人々を支援することを目指しています。詳細はwww.milcc.orgをご覧ください

志願条件1、2、3に伴う臨床実習要件を満たすための

テクノロジー使用に関する暫定ガイダンス更新版が

2023年9月30日まで延長

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが引き続き世界的に影響していることから、IBLCEでは認定資格に伴う臨床実習時間を満たすためのテクノロジー使用の許可を、2023年9月30日まで延長することを決定しました。


志願条件1、2、および3の初回志願者とその監督者/指導者は、2020年4月・5月発行、2020年10月および2021年8月再発行の2022年6月更新志願条件1、2、3に伴う臨床実習要件を満たすためのテクノロジー使用に関する暫定ガイダンス更新版にて、テクノロジーを使用した臨床実習時間要件の詳細を確認できます。

詳細はこちらをご覧ください

IBCLCとマグネット認証:

看護のキャリアと施設の付加価値を高める

専門家、病院、地域診療所などの施設が提供するサービスの質は、一般市民を守るために最も重要であり、政府、非政府組織(NGO)、その他の専門組織など、他の組織にとっても強い関心事です。BFHIの指定施設が母乳育児をする家族の方々のケアにおいて皆さんや市民に信頼を与えるように、第三者機関による認定は、厳格さと質のシンボルとして機能することがよくあります。ケアを受ける家族やサービスを提供する専門家は、赤ちゃんにやさしい病院など、病院や施設が組織に認定されていることで、その施設やケアが厳格な基準やベストプラクティスに従っていることに安心できます。


同様に、一般市民も、資格を取ろうとする人や資格を持つ人も、これらの資格が高い品質であることが保証され、適格なケアが促進されることを望んでいます。そのために、IBCLCプログラムは長年にわたり、インスティテュートフォークレデンシャルエクセレンス(I.C.E.)の認定部門である全米資格認定委員会(NCCA)によって認定されてきました。実は、私たちはこの貴重な認定をいち早く取得し、継続的に維持しているプログラムのひとつであり、1987年から35年間、この権威ある独立認定を受け続けています。NCCAの資格プログラム認定基準は、資格プログラムの品質と卓越性のベンチマークとして広く認識されており、特にヘルスケア資格の場合、この認定は資格認定業界が設定する厳しい基準をIBCLCプログラムが満たしていることについて、志願者、有資格者、雇用者、そして一般市民に第三者による検証を提供しています。この認定は資格の価値を反映するものであり、IBCLCを有する人々が熟練した、知識のある、適格な専門家であることを表します。


また、NCCAの認定を受けることによるもう一つのメリットは、米国看護師資格認定センター(ANCC)®のマグネット認証プログラム®の認証を取得できることです。マグネットプログラムは、看護の卓越性において最高水準を満たす医療機関に認定を与えるものです。医療機関がマグネットの地位を取得することは、その医療機関が、看護師が医療の変革を導く極めて貴重な存在であると認識していることの証明となります。


ANCCは認定を承認するためのベンチマークとして認証を信頼しています。このように、NCCAの認定を取得し維持することで、IBCLC資格は認められた専門機関の資格として継続的に承認され、それによって医療機関が名誉あるマグネット認証の取得が可能になります。ANCCのマグネット認証はアメリカにある施設にしか適用されないかもしれませんが、多くの国で同様の組織やプログラムが医療における厳しい実践基準を満たすものに認証を提供しており、IBCLCのような認定された資格はそれに貢献できます。


IBLCEは、最も長い歴史を持つNCCA認定プログラムのひとつを提供できることを誇りに思い、これからも資格業界が設定する最高基準を満たし続けることを約束します。

IBCLC画像ベースの試験問題について

IBCLC試験を受験された方、または受験を控えている方はよくご存知だと思いますが、試験項目の約半分は画像が使われています。これらは受験者が画像を分析した上で正解を選ぶ問題です。IBCLCの業務の多くは親や乳幼児、子供に対する視覚的評価を必要とするため、画像ベースの問題は知識の適用を問うことにより、試験プログラムの厳正さを向上させています。


IBLCEは、世界中のIBCLCが従事する地域社会と家族の多様性を非常に重視しており、IBCLC試験に世界の多様性を反映させることの重要性を認識しています。IBLCEにとって、試験用画像を継続的に多様化することは最重要課題です。試験内容の機密性、およびIBCLC試験のセキュリティと完全性を保護する必要性から、パブリックドメインに掲載された画像、またはIBLCEがすべての権利を所有していない画像は試験で使用できません。そのため、IBLCEはさらに多様なコミュニティを反映した専有画像を追加で確保しています。これは引き続き優先度の高い課題であり、2023年の試験では、受験者はさらに多様な画像を見ることになります。

IBCLC試験言語方針の最新情報

IBLCEは戦略的計画立案の一環として、広範囲にわたる環境調査を実施しました。そうした広範な環境調査の結果として、世界保健機関(WHO)の公用語が6言語であることは注目すべき点です。

 

以前にもお伝えしたように、IBLCEの最新の戦略計画では、テクノロジーとバーチャルワークの急速な成長、そしてこうした変化が世界的なパンデミックによってさらに加速していることから、言語の枠組みについて検討しています。改定版戦略計画では、財務的健全性と持続可能性も強調しています。

 

改定版戦略計画を踏まえながら、優れた管理責任に従い、IBLCEはIBCLC試験を多言語で実施するためのコスト中立点について分析を行いました。

 

既に発表したとおり、2022年より、IBCLCは定期的に試験による再認定を受ける必要がなくなりました。実際、この変更が施行されて以来、試験による再認定者の割合が、2021年から2022年にかけて82%も急激に減少していることがデータで明らかになっています。再認定に必要な継続教育の自己評価は、現在も、そして今後も17言語で利用可能です。

 

2022年3月のIBLCEブリーフィングで説明したように、継続教育認定ポイント(CERP)を取得するためには、雇用や一部のボランティア活動、著述活動、あるいはメンターシップを通じて、さまざまな創造的で経済的な方法があります。

 

このような事実を踏まえ、IBLCEが資格取得のための受験者数を言語別に分析したところ、この数年間で7言語が持続可能性の基準(コスト中立)を満たさず、そのうちのいくつかの言語では初回受験者数が極めて少なく、一桁台のケースもあったことがわかりました。

 

したがって、組織の公平性および公正さ、そして財政的な持続可能性の問題として、IBLCE理事会は非常に慎重かつデータに基づいて検討した結果、現時点では最も頻繁に実施されている10の試験言語に焦点を絞ることが組織の最善の利益につながると結論づけました。

 

コストの中立性が保たれていない7言語での試験は、2023年は実施しますが、2024年以降は初回受験者数が現在の持続可能性の最小値を満たさないため、実施しない予定です。すべての有資格者が自己評価(17言語で利用可能)と継続教育によって再認定を受けられることから、現在のIBCLCには利用できる選択肢があります。

 

以下は重要な注意点です:

 

  • IBLCEの方針に合致し、コスト中立の数量がある場合、IBLCEは、方針に記載されている翻訳に要する準備期間に従い、これらの言語または新しい言語での将来の試験実施を検討します。
  • IBLCEのウェブサイトに関しては修正を加えながら、引き続きこれらの7言語を含めて掲載します。
  • IBLCEは、これらの言語で有資格者にサービスを提供するIBLCEコーディネーターは維持する予定です。

 

改定版IBCLC試験の言語翻訳に関する方針、常に受験者が少ないため今回中止される特定の試験実施言語、およびよくある質問など、詳しい情報についてはIBLCEウェブサイトをご覧ください。


継続教育(CE)自己評価移行期間

お知らせしたように、2022年に再認定を受ける予定の受験者で、試験による再認定を受けていない人は、2022年9月30日までに所定のCE自己評価を完了し、個人別専門能力開発計画(PPDP)の結果に基づく、CERPによる再認定を申請する必要があります。すでに発表したとおり、CE自己評価は2022年より、基礎的救命措置および250時間の専門的実務(職業またはボランティア)と共に再認定の要件となっています。


再認定を目指す方は、2022年9月30日までにすべての要件を満たし、CERPによる再認定を受ける必要があります。再認定を希望する方は、できるだけ早くCE自己評価を完了し、PPDPを見直し、再認定申請を行って、9月30日の期限までに新しい要件を満たしていることを確認するようお勧めします。CERPによる再認定に関する質問およびサポートについては、地域のIBLCE事務所にお問い合わせください。

英語とフランス語で動画を配信:

継続教育(CE)の自己評価を理解する

CE自己評価でCERPによる再認定を受ける方法を動画でご覧いただけます!現在英語フランス語で配信しており、他の言語は近日配信予定です。

 

IBLCEの全動画は、ビデオライブラリーをご覧ください。

お知らせ

以下の方々、おめでとうございます:

 

IBLCE理事会市民メンバーのChristy Porucznik(クリスティ・ポルクズニク)氏が、ユタ大学医学部の教員担当副部長に就任されました!この新しい職務において、クリスティ氏は医学校の教務部の指導と監督を行い、教員の成功のための指導とサポートを提供し、教員の選任、審査、昇進プロセスの監督など、多くの責任のある役割を担います。

 

IBLCE上級理事会メンバーのAgnes Kamau(アグネス・カマウ)氏は、先ごろ夫婦・家族セラピーの修士号を取得し、ケニアのナイロビの非公式居住者の方々のために従事しています。

 

IBLCEアジア太平洋・アフリカ地域プロモーション&アドバンスメント部長のKarolyn Vaughan(カロリン・ヴォーン)氏が、看護への貢献が認められ、オーストラリア勲章のメンバーに選ばれました。

連絡先情報を最新に!

連絡先情報が正しくなければ、連絡を取り合うことができません!連絡先情報を最新の状態に保つことは、プロフェッショナルとしての責任です。中でもメールアドレスは、IBLCEがIBCLC資格に関するお知らせを送信するために使用しています。お知らせが届いていない同僚の方がいらっしゃいましたら、このブリーフィングを転送してください。

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