旅行業界の皆様、
8月も後半に入ってしまいましたがいかがお過ごしでしょうか?モンスーンシーズン真っ只中のセドナは、朝晩は秋の気配さえ感じられる今日この頃です。例年より雨の多かったように感じる今年の夏は、オレンジ、ゴールド、ピンク、紫、と空を形容するのにはなかなか使われないような色彩が大空を鮮やか染める夕焼けを何度、提供してくれたことでしょう。
先日の友人とハイキングをしたときには、セドナのカラフルな大自然に改めて感動しました。雨のおかげで色味の深い緑が広がる大地を歩きながら、真っ赤な岩壁によりかかり、ふと見上げる真っ青な空に真っ白な雲がぷかぷか。そして、パープルナイトシェードとも呼ばれるラシャナスが紫の花を一面に咲かせている中、深呼吸。とても気持ちのいい「
Sedona Moments」でした。
皆さんにも、このセドナのすばらしさをご体験いただきたいと願いつつ、セドナからニュースをお伝えします。
セドナ商工会議所観光局
佐渡 祥子
今回の「
Sedona Moments」は、2011年4月にも登場いただいた髙森玲子さん。編集者としてこれまで3冊のセドナガイド本を手がけられ、現在は作家として『スペインサンティアゴ巡礼の道』(実業之日本社刊)、『熊野古道 巡礼の旅』(説話社刊)など、旅と聖地にまつわる本の執筆や、講演活動をされています。
紀行作家 髙森玲子さん
セドナの赤い大地には、たくさんの謎が隠されていて、セドナでふと頭をよぎったこと、考えたことは、その後、思わぬ形で現実となったりするようです。
今から
15年ほど前のクリスマス。はじめてセドナを訪れた私は、出版社に勤める編集者でした。現地の本屋さんで手に入れた『What is a Vortex?』を頼りに、手さぐりで宝探しのような旅をしながら、「日本語の詳しいガイドブックがあったら・・・」という思いが湧き上ってきたのですが、そんなことは帰国後、すっかり忘れていました。
しかし数年後・・・
気がつけば、
3冊のセドナガイドの編集を手がけることになっていました。
いずれも好評で、版を重ねていることから、私は世界や日本のさまざまな「聖地」に呼ばれて旅するようになり・・・今では独立して、聖地にまつわる本を書いたり、講演をしたりしています。
セドナに出逢わなければ、今の私はなかったかもしれない。そんな思いから、毎年のように"お礼参り"的に訪れて、オーククリークキャニオンの宿でゆっくり過ごしたり、ワイナリー巡りをしたり、気の向くままにトレイルハイクを楽しんだりしています。
そういえば、ずいぶん前に、セドナのヒーラーの女性に言われたことがありました。
「将来は世界中を旅して、
more independentになって、自分で本を書くようになりますよ」
まるで魔法使いの呪文のように、当時の私には夢のような言葉でしたが、「結局、そうなるのかもしれない」という予感が心をかすめた瞬間を、今でもはっきりと思い出せます。
セドナの赤い大地には、"この世の仕組み"の不思議がたくさん隠されていて、私たちが注意を払って、耳をすませば、思いがけないメッセージを送ってくれます。クリークのせせらぎや、ジュニパーの木陰や、視界を横切る野ウサギの姿にも、謎は秘められています。
たとえそのときは気づかなくても、年月をかけて謎が解けることもある
Sedona Momentsの魔法は、今も昔も変わらず私たちを待っています。