IBLCE ブリーフィング 2018 12
IBCLC の業務範囲および臨床能力の改訂


これらの主要文書を更新するにあたり、 3 人の理事と 4 人の追加委員を含め、世界中の IBCLC から成る IBLCE 資格委員会が行った最新の業務分析を細かく考察しました。また、 2018 年に IBCLC の全試験言語で実施された、オープンパブリックコメント期間中の IBCLC からのフィードバックも考慮しています。
 
業務分析回答からのデータとパブリックコメント期間中の IBCLC からのフィードバックを踏まえ、業務範囲および臨床能力に関する文書には大きな変更を加えないことになりました。これらの資料に対する変更は特に、現在の実務を反映するものであり、次のものが含まれます。

  • 子どもに特化したニーズに取り組むために必要なアセスメントやスキルがさらに強調されました。
  • IBCLCの役割に関する業務範囲に、母親および子供の健康およびメンタルヘルスに関連した母乳育児および乳汁分泌のケアの提供において、情報が追加されました。
  • ヒトの乳の安全な取り扱い、保管と使用、幼児と離れている間の母乳育児、食べ物と母乳育児の関係性、公の場での授乳についての臨床能力に情報が追加されました。
  • 性別の中立性を反映する文言が更新されました。

さらに、先に IBLCE がイギリス英語を使用することとなったため、イギリス英語に訂正されました。文書の更新版は、 IBLCE ウェブサイトからご覧いただけます。
 
IBLCE は、この重要なプロセスにご協力いただいたボランティアの皆様、またパブリックコメント期間中、そして IBLCE が緻密な考察を行うにあたり、貴重なフィードバックを提供してくださった 100 名超の IBCLC の皆様に、心より感謝いたします。
IBLCE 理事の入れ替え

IBLCE は、今年はじめに行われた公募により、 IBLCE 理事会 2 人の新しいメンバーを選出したことを喜んでお知らせいたします。
Mona Sakr モナ・サクル) 氏、 MBBS MSc IBCLC は、母子保健( MCH )の専門家であり、アラブ首長国連邦アジュマンの保険省のコーディネーターです。エジプトのアレクサンドリア大学にて、公衆衛生 / 母子保健の医学学士号と理学修士号を取得しました。 2007 年より IBCLC を務めています。 IBCLC 資格を取得して以来、サクル博士は、アジュマン初の授乳クリニックを創立し、運営し続けています。既婚で、 3 人の子供に恵まれています。
Marin Skariah マリン・スカリア) 氏、 MSN FNP-BC RNC-MNN IBCLC は、ニューヨーク州ウェストチェスター出身で、現在は NYU Langone Health のティッシュキャンパスにて産科、分娩と出産の看護専門家養成スペシャリスト( NPDS )を務めています。スカリア氏は、 ジョージア州アトランタのマーサー大学で看護学学士号、ニューヨーク市ブルックリンの SUNY Downstate Medical Center で看護学修士号を取得しています。同氏は、授乳中の子供や家族に対するケアの質を向上すべく、支援や研究、保護者教育を通してベストプラクティスを取り入れ、 変化をもたらすべく努めています。
 
両氏を IBLCE の理事会にお迎えいただきありがとうございます!
 
また、 IBLCE 2018 2019 年の新しい役員を喜んで発表いたします。 Roberto Issler ロバート・イスラ―) 氏、 MD IBCLC は、ブラジル、ポルト・アレグレ出身の小児科医です。昨年の次期会長を経て、現在 IBLCE 理事会会長となりました。新しい次期会長は Norma Escobar (ノルマ・エスコバー) 氏、アメリカ合衆国ノースカロライナ州の IBCLC です。現在、ニューハノバー郡の女性、幼児と子供( WIC )プログラムに携わっています。 Micaela Notarangelo (ミカエラ・ノタランジェロ) 氏、 PhD は、イタリア、レーリチの IBCLC で、会計係を引き続き務めます。上級理事会メンバーとして実行委員会を締めくくるのは、 Clifton Kenon, Jr (クリフトン・ケノン・ Jr 氏、 DNP MSN RN 、アメリカ合衆国ペンシルベニア州の IBCLC と、 Christy Porucznik (クリスティ・ポルクズニク) 氏、 PhD 、アメリカ合衆国ユタ州の MSPH です。ポルクズニク氏は、 IBLCE 理事会の公共委員も務めています。 Esmé Hough (エズミ・ハフ) 氏は、南アフリカ北ケープ州の IBCLC です。 6 年間の理事会での経験、昨年の会長を経て、現在は IBLCE 定款更新の際に、議決権を持たない理事会顧問を務めます。
 
IBLCE は、退任となる理事、以前会長を務めていたアメリカ合衆国フロリダ州の IBCLC Regina Maria Roig-Romero (レジーナ・マリア・ロイグロメロ) 氏、 MPH MCHES にも感謝の気持ちを表します。
 
これらの方々すべてのボランティア精神溢れるリーダーシップとサービスに感謝いたします。
IBLCE ボランティアの重要な役割
 
認定資格委員会である IBLCE は、公共委員やその他関係者が積極的に組織を代表し、同業者が作っていく組織です。協議会を提供する専門職団体とは異なり、 IBLCE の仕事の多くは、舞台裏のものです。しかし、理事会、委員会、タスクフォース、その他ボランティアによる仕事は、 IBLCE 、またラクテーション・コンサルタントの職業全体にとって間違いなく高い重要性を持っています。
 
理事会は組織戦略を決定し、受託者の資格において組織に従事します。 IBLCE 理事会メンバーは現行の理事会での活動に加え、通常 2 3 回の委員会やタスクフォースにも参加します。さらに、質の高い認定資格プログラムの実現を主な目的とした、定期的なイニシアチブもあります。
 
IBLCE ボランティアは、任務内容により継続的あるいは定期的に以下を行うものとします。

  • IBCLCコミュニティに広めるための業務分析調査を展開する。これは、IBCLCとしての業務の様子を、定期的にスナップショット(寸評)におさめる証拠ベースのものとなります。
  • 定期的な業務分析と信頼性のある文献に基づき、IBCLC試験の質問を展開する。この質問は、項目とも呼ばれます。
  • 詳細内容概要にしたがって、 IBCLC試験に含める項目を選択する。
  • IBCLC業務範囲や臨床能力といった主要な専門的文書、ならびに受験資格および再認定要件を、定期的な業務分析およびオープンパブリックコメントに基づいて更新する。
  • IBCLC受験資格または試験結果に関する訴えを検討する。
  • 公共委員またはその他専門家からの倫理に関する苦情を、確認ならびに検討する。
  • 世界中の専門家会議、一般的にラクテーション分野を率いている人物や関連組織との会議で、IBCLC資格を広める。
  • IBCLCやその他関係者と会う。
  • 将来のIBLCEリーダーを継続的に養成する。
  • 業務にとって重要な事柄に関する助言的意見を考え、発行する。
  • ベストプラクティスやIBCLCプログラムの第三者認定機関の基準に適合するため、本組織のためのポリシーを展開する。

提携している国際非営利組織、日本ラクテーション・コンサルタント資格のための財政投資( MILCC )は、 IBCLC 資格の取得を目指す受験資格のある人、および十分な医療サービスを受けていない人に対し活動を行っており再認定を目指す現在の IBCLC にフォーカスし、経済的支援を提供しています。 MILCC は、過去 5 年間にわたり、 $100,000 を超える奨学金を付与してきました。
 
IBLCE は、多くのボランティアの方の専門的知識と組織へのコミットメントに、感謝いたします。