記憶と認知障害。
精神能力に低下のある高齢者、特に認知症やアルツハイマー症を患っている高齢者は、一番ニーズの高い高齢者といえます。記憶喪失と認知障害は家族内の介護提供者に、身体的にも心理的にも大きなストレスとなります。家族の一員の状況が悪化するだけでなく、介護提供者も愛する家族の一員との関係においての認識喪失という感情面と戦うことになります。研究によると
、実際に、記憶や認知障害のある高齢者への支援を提供することからの家族内の介護提供者へのストレスは本人の健康状況の悪化や場合によっては早死に至ることもある、とのことです。
単一言語の日本人。
英語をあまりうまく話せない高齢者は英語での意思疎通がうまくできず、介護やサービスにアクセスするために厳しい障壁に直面することもあり得ます。
さらに、文化、インフラストラクチャー、そしてサービス受け渡しモデルに精通していることが社会への参加と機能に重要です。例えば、日本では健康や支援制度は政府の責任であり、全ての市民は適切で総合的な介護を受ける権利があります。米国では、制度への参加には煩雑な手続きが必要で、適格性の要件も複雑であり、標準型サービスではなく様々な局面でのサービスを選んで受けることになります。永住権を持っている人々でソーシャルセキュリティー(社会保障年金)とメディケア(公的高齢者医療保険)の資格を持つ人々も誤解や文化的な烙印のためにこの給付を受けていないこともあります。文化の違いというものは言語の障壁と同じくらい重要です。
移民状況。
米国在住の日系人高齢者の多くは、長年、移民状況の難問と戦ってきました。例としては、サービスへの資格を証明する重要書類の喪失や、期限切れのビザがあります。こうした問題があると、その本人は社会サービスや医療保険が利用できずに制度外になって、早期に介入をするより健康状況が悪化してしまうことになります。移民状況に影響を及ぼすことなくこうした人々に入手可能な資源もあるのですが、文化的な基準からすると助けを求めることにはためらいがあり、移民状況や強制送還の可能性への懸念からさらに状況を複雑にしてしまいます。
高齢者中の最高齢者。
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歳以上の高齢者グループは、高齢者人口の中でも最も急速に増えています。このグループは、若くて健康な高齢者よりも深刻で差し迫った課題に直面しています。課題としては、身体的
(例えば脆弱、移動性の喪失、複数かつ複雑な健康状況、末期関連課題、輸送手段がないことから生じる介護へのアクセスの制限)、精神健康
(例えば、精神能力喪失、配偶者・家族・友人の喪失による心痛やうつ病)、そして社会孤立や過怠といった状況が起こりやすいといったことがあります。
上述の脆弱性は重複して起こることが多いものです。敬老の理事会と職員は、我々のコミュニティーの健康と福利に積極的なインパクトを及ぼす日系米国人・日本人高齢者、その介護提供者、そしてその支援制度の最も高いニーズを支援する方法を作成中です。
敬老の新ビジョン構想は6
回シリーズの電子版会報で発表されます。来週発表の敬老新ビジョン構想の第4
回目では、
元気リビング :
福利の8
局面とその総合的な構想を我々の将来の仕事に活用・継続する方法、に焦点を当てます。